2017年08月15日
会社が潰れる時その1) 取引銀行の撤退

バブル崩壊が足音を忍ばせながら、確実にその時が近ずいていた時の事だ。
土地と株の値段は上がる一方だった。
この異常な状態がいつまでも続く訳が無いと気がついている者もいたが、そうした者は極僅かでだった。
その頃、俺は中手のコンピュータソフト会社でプログラマーをしていた。
コンピュータの出荷台数が右肩上がりになっているので、仕事量も増える一方で慢性的な人手不足。
平日はいつも終電、土曜日も仕事が無い日は稀だった。
12月10日、いつも通りにのび太やヤマチャンと一緒に弁当を食べ、13時になったのでパソコンに向かいテーブル作成の続きを始めた。
今コーディングしているシステムはメショメル通信が手掛ける朝読新聞のシステムの一部だ。
1月20日からは蒲田のメショメル通信で結合テストが有るのだが、やや遅れ気味で1~2日足が出てしまいそう。
テーブルのパラメータをポインターにするか実パラメータにするか考えていると、机上の電話が鳴った。
電話を取ると総務からの呼び出しだ。
仕事の邪魔をされた気がしないでもないが、それを理由にヤマチャンと喋って気分転換でもする事にするか。
この会社は社員は数百人しか居ない事と社員の90%が本社ビルに居るので全員顔見知りだ。
それに、総務にはよく休みの日に一緒に遊びに行くヤマチャンが居るので、しょちゅう顔を出している。
総務に行くとヤマチャンでは無くちょっと年配の川島さんがニッコリと笑いながら言った。
「銀行口座を西海銀行から、ゆうひ銀行に代えてくれない」
「えっ」という顔をしていると間髪を入れずに言った。
「うち、今度ゆうひ銀行をメインバンクにする事になったんだよね」
1年前、会社は今までのボロ社屋から本社を新築のオフィスビルの最上階へ移転していたのだ。
結果、それまでよりもテナント料がかなり高くなった。
それに加えて、「立派なビルにしたからもっと優秀な人が採用できる筈」との論法で、去年から初任給も大きくアップしていた。
その結果、エンジニア単価もかなり高くせざる負えなかったのだが、当時はバブリーな時代だったので多少仕事が減る事もあったが十分な仕事量だった。
先月バーベキューの帰りにヤマチャンとファミレスで話した時に「もっと借金しないとダメそうなんだよね」と言っていたのを思い出す。
あまり疑いもせずに給与振り込み銀行を「ゆうひ銀行に代えた」
その数日後、ゆうひ銀行の河合さんが来て銀行口座を開設した。
その後もゆうひ銀行の河合さんが足繁く2,3日おきに来ては、財形貯蓄や定期預金などの勧誘をしていく。
どうやら、メインバンクが代わったのは事実のようだ。
河合さんはとても明るい性格で誰とでもすぐに打ち解けるので、1か月おするとまるで友達のように話をするようになった。
話をしていく内に、会社の臼杵さんちが地元では有名な地主でワニまで飼っているらしい事を聞いた。
ヤマチャンと俺は驚き、「なんでそんなに詳しいの?」と聞くと、臼杵さんのお兄さんと同級生なのだそうな。
1/18、当初の予定を前倒しして、メショメル通信で結合テストが始まった。
しかし、端末の台数が足りず2交代で作業を行う事になってしまったのだ。
用賀から蒲田だと途中で乗り換えが2回もあるので、体力がある俺は用賀の自宅から自転車で通う事に決めた。
この頃、自転車に目覚めてしまいロードレーサーで走るのが日課になっていたからだ。
メショメル通信の鎌田事業所はなんと、朝、昼、夕の三回写真食堂の営業がある。
それだけ残業する人や徹夜する人が多いという事なのだろう。
その所為か、トレイには漫画雑誌が積まれていて、疲れた人が個室でそれを読んでいる。
噂では1年に1人位、自殺事件も起こるらしい。
2/20、夜勤明けでそのまま仕事をして、昼食を食べたら帰ろうと思っていた。
すると急に電話がなり、電話を取った谷井さんが「何、火事!」と大きな声で叫んだ。
弁当を食べていた人が全員谷井さんを見るのだった。
その2へ続く
それに、総務にはよく休みの日に一緒に遊びに行くヤマチャンが居るので、しょちゅう顔を出している。
総務に行くとヤマチャンでは無くちょっと年配の川島さんがニッコリと笑いながら言った。
「銀行口座を西海銀行から、ゆうひ銀行に代えてくれない」
「えっ」という顔をしていると間髪を入れずに言った。
「うち、今度ゆうひ銀行をメインバンクにする事になったんだよね」
1年前、会社は今までのボロ社屋から本社を新築のオフィスビルの最上階へ移転していたのだ。
結果、それまでよりもテナント料がかなり高くなった。
それに加えて、「立派なビルにしたからもっと優秀な人が採用できる筈」との論法で、去年から初任給も大きくアップしていた。
その結果、エンジニア単価もかなり高くせざる負えなかったのだが、当時はバブリーな時代だったので多少仕事が減る事もあったが十分な仕事量だった。
先月バーベキューの帰りにヤマチャンとファミレスで話した時に「もっと借金しないとダメそうなんだよね」と言っていたのを思い出す。
あまり疑いもせずに給与振り込み銀行を「ゆうひ銀行に代えた」
その数日後、ゆうひ銀行の河合さんが来て銀行口座を開設した。
その後もゆうひ銀行の河合さんが足繁く2,3日おきに来ては、財形貯蓄や定期預金などの勧誘をしていく。
どうやら、メインバンクが代わったのは事実のようだ。
河合さんはとても明るい性格で誰とでもすぐに打ち解けるので、1か月おするとまるで友達のように話をするようになった。
話をしていく内に、会社の臼杵さんちが地元では有名な地主でワニまで飼っているらしい事を聞いた。
ヤマチャンと俺は驚き、「なんでそんなに詳しいの?」と聞くと、臼杵さんのお兄さんと同級生なのだそうな。
1/18、当初の予定を前倒しして、メショメル通信で結合テストが始まった。
しかし、端末の台数が足りず2交代で作業を行う事になってしまったのだ。
用賀から蒲田だと途中で乗り換えが2回もあるので、体力がある俺は用賀の自宅から自転車で通う事に決めた。
この頃、自転車に目覚めてしまいロードレーサーで走るのが日課になっていたからだ。
メショメル通信の鎌田事業所はなんと、朝、昼、夕の三回写真食堂の営業がある。
それだけ残業する人や徹夜する人が多いという事なのだろう。
その所為か、トレイには漫画雑誌が積まれていて、疲れた人が個室でそれを読んでいる。
噂では1年に1人位、自殺事件も起こるらしい。
2/20、夜勤明けでそのまま仕事をして、昼食を食べたら帰ろうと思っていた。
すると急に電話がなり、電話を取った谷井さんが「何、火事!」と大きな声で叫んだ。
弁当を食べていた人が全員谷井さんを見るのだった。
その2へ続く
Posted by Gian at 19:03
│私小説 ”ジャイアン”
この記事へのコメント
こんにちは。
やたらとリアルですが実話ですか?
実話なら続きが恐いです。
やたらとリアルですが実話ですか?
実話なら続きが恐いです。
Posted by 山猿
at 2017年08月16日 14:31

山猿さん、こんばんわ♪
残念ですが、実際にあった事です。
会社は大きくなる時にもドラマが有りますが、潰れれ時にもドラマがありました。
私はかなりラッキーだった方ですが、もう同じ経験はしたくありません。
残念ですが、実際にあった事です。
会社は大きくなる時にもドラマが有りますが、潰れれ時にもドラマがありました。
私はかなりラッキーだった方ですが、もう同じ経験はしたくありません。
Posted by Gian
at 2017年08月16日 18:40

すみません、興味深々で読んじゃいました。
この先気になる~。
銀行は冷たいもんだっとはずーっと思っていましたが、やはり・・・。
金の切れ目が縁の切れ目っすかね。
はやく続きを書いてくださいね~。
気になって寝れません。笑
ブログも書けません。爆
この先気になる~。
銀行は冷たいもんだっとはずーっと思っていましたが、やはり・・・。
金の切れ目が縁の切れ目っすかね。
はやく続きを書いてくださいね~。
気になって寝れません。笑
ブログも書けません。爆
Posted by まさみるく
at 2017年08月17日 00:25

まさみるくさん、おはようございます♪
銀行は本業でお金を貸しているので、仕方ないのだt思います。
それに、最初に気がついた銀行は、被害がかなり少なかったようですし!
北海道レポ楽しみにしていま~す♪
銀行は本業でお金を貸しているので、仕方ないのだt思います。
それに、最初に気がついた銀行は、被害がかなり少なかったようですし!
北海道レポ楽しみにしていま~す♪
Posted by Gian
at 2017年08月17日 05:21
